名古屋の星ヶ丘三越9階にある三越映画劇場で上映中の映画「本を綴る」を鑑賞しに行ってきました。本編上映の後にトークショーが開催される特別上映の回に参加しました。本が好きなので、なんとなく気になって見に行った映画でしたが、期待以上に素晴らしすぎて、感動しました。トークショーで監督や脚本家の方の貴重なお話しをお伺いできたのも嬉しかったです。一人でも多くの方に是非見て頂きたい素敵な映画との出会いに感謝です。
本を綴る

小説が書けなくなった作家は、全国の本屋を巡りながら本の書評や本屋のコラムを書くことを生業にしている。旅に出て一期一会の出会いや友人との再会で刺激と温かさ、厳しさを痛感しながら書けなくなった原因と向き合う。(HPからあらすじを引用)

映画の中に出てくる、実在する本屋さんや図書館がとても素敵で、那須や京都、香川の風景も美しくて癒されます。京都の大好きな場所も沢山登場して嬉しかったですし、全部の場所に行ってみたくなります。

ただ見て癒されるほんわかロードムービーというわけではなく、登場人物たちがリアルで、それぞれの痛みや悲しみ、挫折、生き方に触れ、心の琴線に触れる映画でした。

人が人に出逢って、傷つけあうこともあるけれど、儘ならない現実もあるけれど、お互いに力を与えることもできて、自然と影響し合っていく、ということが丁寧に描かれていました。

それぞれの場所で痛みを抱えながらも懸命に生きている登場人物たちが大変印象的で、自然と応援したくなり、ハッとして背中を押してくれる言葉が沢山ありました。

モチーフは本や本屋さんですが、描かれているのは人の生き方や人生だと思いました。色んな世代の、一人でも多くの方に見て頂きたい、素晴らしい映画です。
トークショー


「本を綴る」の監督篠原哲雄さんと脚本家の千勝一凜さん、星ヶ丘にある本屋Reading Mugのキムラナオミさんとのトーク付き映画上映に行ってきました。

Youtubeで公開されたドラマ「本を贈る」から映画「本を綴る」制作に至った経緯などを最初にお話し頂きました。ドラマの方は知らなかったので、これからじっくりゆっくり見ていこうと思います。

後半で、登壇された3名からそれぞれおすすめの本を紹介して頂いたのですが、観客の方がやはり本好きの方が多いのか皆さんメモされていたのが印象的でした。

映画作りの裏話や苦労話をお伺いしながら、主人公が映画製作にチャレンジする大好きな漫画「海が走るエンドロール」の中の色んなエピソードが頭をよぎっていきました。

漫画の中に「映画って現実的でしょ」という言葉が出てくるのですが、予算や天候や色んな制約と向き合いながら映画を撮影したお話をお伺いして、この言葉を思い出しました。

脚本家&プロデューサーの千勝さんが各地をロケハンしながら人や場所とのご縁で、エピソードが更に膨らんでいったお話と、独立系の本屋さんは増えていっているお話などが大変興味深かったです。

「監督は全部自分で決めているように思われるけれど、色んな人の意思や意向を汲み取りながら奉仕する仕事なんだ」という監督の言葉が印象的でした。

また、監督の「映画の神様が見ていてくれるから、天候など諸問題があっても最後は絶対にどうにかなると思っている(意訳)」という言葉が一番心に残りました。

本好きの方にもそうでない方にも見て頂きたい、寄り添いながら、そっと背中を押してくれるような素敵な映画を本当にありがとうございます。
